公開日 2021年4月27日 最終更新日 2021年8月15日
2021年7月3日よりヨーロッパ内で、使い捨てプラスチック用品の製造・販売が禁止になることが決定したことをご存知ですか?
2015年~2017年の間には世界中で3,9%ものプラごみが増え、その量はおよそ615万トンだったそうです。
プラスチックにも様々な種類がありますが、中には石油などの化石燃料を使うものもあり製造の時点で限られた資源が使われ、たくさんのエネルギーを要するため地球温暖化の原因となる多くの二酸化炭素が発生してしまうこと、多くが可燃ゴミとして燃やされることで需要が減らない限りまた新しくプラスチックが製造しなければいけないという環境汚染のサイクルが起こっています。
しかしそれはプラごみが与える環境汚染の1つの理由に過ぎません。他にも様々な理由があり、その問題がますます深刻化しているからこそ、ヨーロッパでは長く議論されていたこの決定が来年実現化することになったのです。
もくじ
どの使い捨て製品が禁止になるの?
使い捨て容器というと様々なものが思い浮かぶかと思いますが、一体どれが禁止となるのでしょうか?
- ファストフード・テイクアウトで使われているプラ容器(発泡スチロールも含む)
- プラ食器類(皿・コップ・フォーク・ナイフ・スプーンなど)
- プラのストロー
- プラ(ドリンクのミルクや砂糖などを)混ぜるもの
- プラの綿棒
この規制では、化石燃料から作られた使い捨てのプラスチック禁止に加え、バイオベース・生分解性のプラスチックも禁止になります。
ドイツ包装法の改正
ドイツ国内では2019年1月より包装法の改定がなされ、その結果リサイクル率は格段に上がりました。内容の一部に、その包装が使い捨てか再利用可能なのか消費者は分かりやすいように示されていることなどがあります。
この包装法はすべてのものに適用され、販売用・外装用・サービス用・出荷用・輸送用と様々なものがあり、プラスチック・紙・木材・アルミニウム・複合素材などその種類よっても決まりは異なってきます。
対象となる製造・輸入業者は決められた包装登録簿に登録をし、その包装の収集とリサイクルがどこで行われるのか、包装数量・販売数を定期的に報告することなどが義務付けられています。
なんで使い捨て製品が禁止になるの?
使い捨ての容器や食器が一番多く利用されるのが、テイクアウト・宅配サービスですよね。その影響でゴミは今も増え続けていますが、それに加えて2020年はコロナウイルスの影響で、さらに使い捨ての容器の需要が増えています。
それらのゴミは公園や海に捨てられていたり、それが雨が降り湖や池に流されたり、風によってどこかへ飛んで行き、鳥たちが間違って食べてしまったり、魚が飲み込んでしまったり、環境だけでなく動物たちの健康までも犯してしまっています。
ドイツで消費されている使い捨て
環境省によると、ドイツでは毎時間ごと使い捨ての飲料用カップの消費は約32万個で、そのうち最大14万個がテイクアウトによるものだったそうです。2017年は34万6000トンを超える使い捨て容器が廃棄されました。
しかしその反面、ヨーロッパ内では多くの企業が使い捨てから再利用可能な製品の製造に切り替えているもの事実です。いかに無駄をさけて、資源をより効率よく使用するかという取り組みが行われているわけですね。
その他ヨーロッパで取り組まれていること
- ヨーロッパ内でプラスチック廃棄物の出荷を視野に入れて引き締め措置を交渉
- 無害であるが自由に取引できないプラスチック廃棄物の発展途上国への輸出の禁止を提案する予定
- 個人消費者からの包装廃棄物は、決まった回収システムを通じてヨーロッパ全体で実質的に完全にリサイクル
(引用:Einweg-Plastik wird verboten)
個人がゴミを減らすためにできること
ヨーロッパ内で施行されるこの決まりは、企業や食事を提供するお店に向けたものですが、ゴミを減らすことは普段の意識を変えることで個人でも貢献できるので、地球・動物・私たちの未来のためにぜひ意識してみてください。
- 買い物時に包装の少ない製品を選ぶ
- 環境にやさしいエコラベルの付いた製品を選ぶ
- テイクアウトにマイタンブラーを利用する