公開日 2021年5月12日 最終更新日 2023年12月27日
コロナウイルスの影響で、数々のクリスマスマーケットが開催を中止しています。
ドイツのWeihnachtsmarkt*(クリスマスマーケット)といえば、国の一大イベントのひとつであり、ドイツの風物詩でもあり、例年大きな都市から小さな村まで期間は違えど至る所で開催されます。(*複数形はWeihnachtsmärkte)
今年は残念ながらそれを楽しめない分、この記事ではドイツのクリスマスマーケットがどのようなものなのかご紹介します。
もくじ
- 1 クリスマスとは?
- 2 ドイツのクリスマスマーケットとは?
- 3 ドイツのクリスマーケットの開催期間
- 4 クリスマスマーケットのスタンダード
- 5 クリスマスマーケットの飲み物
- 6 Glühwein(グリューワイン)
- 7 Kinderpunsch(キンダープンシュ)
- 8 Feuerzangenbowle(フォイヤーツァンゲンボウレ)
- 9 MetまたはHonigwein:はちみつワイン
- 10 クリスマスマーケットの食べ物
- 11 Bratwurst(ブラートブルスト):焼きソーセージ
- 12 Flammkuchen(フラムクーヘン)
- 13 Lebkuchen(レープクーヘン)
- 14 Stollen(シュトレン)
- 15 gebrannte Mandeln(ゲブランテ・マンデルン)
- 16 heiße Maronen(ハイセマローネン):焙り栗
- 17 インターナショナルな屋台
- 18 Lángos(ランゴシュ)
- 19 Crêpe(クレープ)
- 20 Poffertjes(ポッフェルチェ)
- 21 クリスマスマーケットの買い物
- 22 Schwibbogen:キャンドルアーチ
- 23 Nussknacker(ヌスクナッカー):くるみ割り人形
- 24 Räuchermann(ロイヒャーマン)
- 25 Bienenwachskerzen(ビーネンヴァックス・ケルツェン)
- 26 クリスマスマーケットの魅力はいっぱい
クリスマスとは?
クリスマス12月25日はご存知の通りイエス・キリストの誕生日を祝う日です。
Advent(アドベント)は耳にしたことのある言葉だと思いますが、日本語では待降節・降臨節などと呼びます。
アドベントという単語は「到来」を意味するラテン語Adventus(=アドベントゥス)から来たもので、「キリストの到来」のことである。(引用:Wikipedia)
11月30日Andreastag(聖アンデレの日)に1番近い日曜日をDer erste Adventssonntag(第1アドベント)とし、そこから12月24日Der Heilige Abend(聖夜)までの毎週日曜日を第2・第3・第4と続きます。
アドベントはキリスト教がイエス・キリストの誕生の饗宴・クリスマスの準備をする期間であり、同時にクリスチャンがイエス・キリストの再来を待つことを思い出させます。Adventskranz(アドベント・クランツ)とよばれるもみの木の枝で作られたリースに4本ロウソクを立て、毎日曜日に火をともしていく習慣があります。
ドイツのクリスマスマーケットとは?
Christmas market(クリスマスマーケット)という英語が主流になっていますが、ドイツ語ではWeihnachtsmarkt(ヴァイナハツマルクト)と言います。
Weihnachts- はクリスマスの~という意味で、Markt は市場という意味です。
Weihnachtsbaum(クリスマスツリー)はTannenbaum(もみの木)などのマツ科の木にデコレーションがほどこされ、Weihnachtspyramide(クリスマスピラミッド)や移動式遊園地の明かりでキラキラと飾られたMarkt(市場)に、Weihnachtsbuden(木でできた屋台)が立ち並び、Weihnachtsduft(クリスマスの香り)という言葉があるように、Zimt(シナモン)などの香りにつつまれる独特の雰囲気は、地元の人から観光客で例年盛り上がります。
ドイツのクリスマーケットの開催期間
主催者や規模によって違いがありますが、現在大きなクリスマーケットは大体が第一アドベントのある週の中から始まって、クリスマス前に終わります。また、クリスマスの休日24日から26日後年の初めまで続くものもあります。小さなクリスマスマーケットは何日かだけ開催したり、アドベント期間中の週末だけ開催されたりします。
クリスマスマーケットのスタンダード
規模は違っても、実はどこの街も似たり寄ったりなのがクリスマスマーケット。クリスマスマーケットでは一体どんなものが出店されているのかご紹介します。
クリスマスマーケットの飲み物
マーケットは屋外、寒い冬には温かい飲み物が欠かせませんよね。クリスマーケットには美味しい飲み物がたくさんあります。
Glühwein(グリューワイン)
主に赤か白ワインにシナモンなどのGewürz(香辛料)を入れて温められたホットワイン。Glüh-はglühenという「燃える」という動詞からきています。ぶどう以外のフルーツで、りんごやいちごのGlühweinを見かけることも。どこのグリューワインが自分の好みか飲み比べしたりすることも1つの楽しみです。
各店舗・街でオリジナル陶器に入れられるのですが、それはPfand(プファンド)といって陶器にお金を払っておいて、飲み終わったものを返すとその分のPfand(プファンド)が返ってくるシステムになっているので、お気に入りの陶器を見つければそのまま持って帰ってコレクションにすることもできます。
クリスマスマーケットの名物であり、みんなの一番の楽しみといっても過言ではないこのGlühweinは今年は密を避けるためにどこも販売しないことになっています。
Kinderpunsch(キンダープンシュ)
Kinder(こどもたち)だって、アルコールが苦手な人だってグリューワインを味わいたい!ということで、Früchtetee(フルーツティー)とApfelsaft(リンゴジュース)にレモンなどの柑橘系のフルーツを入れ、Zimt(シナモン)やNelken(クローブ)などの香辛料を混ぜ合わせて煮込んだアルコールフリーのホットドリンクがキンダープンシュです。
Feuerzangenbowle(フォイヤーツァンゲンボウレ)
なんだかいかつい名前ですが、Bowleはフルーツを小さく切ってワインに香りづけしたものを指しますが、さまざまなスパイスやフルーツジュースを加えた後、カップの上にフォイヤーツァンゲ(ファイアトング)を置き、ラムに浸した円錐形の砂糖を火にかけ、燃焼しながら液体に滴下したものです。
MetまたはHonigwein:はちみつワイン
ハチミツ・水・酵母が原料のハチミツワインを温かくして売られています。香辛料によって様々な味を引き出したり、発酵具合によって甘さが変わったりと奥の深い飲み物です。
クリスマスマーケットの食べ物
温かい飲み物だけではもちろんありません。クリスマスしか出会うことのできない食べ物から年中愛される食べ物までマーケットでは色々と出会うことができます。
Bratwurst(ブラートブルスト):焼きソーセージ
マルクト(市場)に行けば、年がら年中出会うことができる焼きソーセージですが、もちろんクリスマスマーケットにも出店されています。グリルのいい匂いが食欲をそそり、それぞれのクリスマスマーケットでは主にご当地のソーセージが堪能できます。
Flammkuchen(フラムクーヘン)
南ドイツ(またはフランス)発祥の薄焼きピザのようなもの。トッピングは様々なバリエーションがあり、玉ねぎ・ベーコン・チーズなど甘いバリエーションもある。
Lebkuchen(レープクーヘン)
小麦粉・ナッツ・香辛料を使ったクリスマスシーズンに食べられる焼菓子。様々な種類・形がありますが、屋台で目立つのは紐に通して吊り下げられていているもの。
Stollen(シュトレン)
ご存知の方も多い、パンの形をしたイーストを使った生地で焼き上げた重いケーキ。ドライフルーツやナッツを入れたり、しっとりさせるためにアーモンドを砂糖と練ったMazipan(マジパン)やケシの実Mohn(モーン)を生地に混ぜ合わせたりもする。
gebrannte Mandeln(ゲブランテ・マンデルン)
銅の巨釜に入れられたMandeln(アーモンド)を砂糖と水でgebrannt(カラメル)したもの。バニラ砂糖やシナモンなどで香りづけされたり、違うナッツの種類もある。
heiße Maronen(ハイセマローネン):焙り栗
いい香りを出している屋台の1つ、焙った栗もよく見かけます。日本で食べるような甘栗のように甘くはありませんが、栗本来のあじをしっかり引き立てた栗もおいしいです。
インターナショナルな屋台
ドイツ料理だけではありません。お隣の国の名物も堪能できるのがクリスマーケット。
Lángos(ランゴシュ)
ハンガリー発祥のスナック。小麦粉・牛乳・イーストでできた生地を油で泳がせて揚げたものに、にんにくソースやチーズなどをトッピング。ドイツではシナモン・砂糖などのバリエーションもある。
Crêpe(クレープ)
クレープもまた人気の食べ物の1つです。日本のようにクリームたっぷりではありませんが、香りに惹かれてついつい買ってしまいます。
Poffertjes(ポッフェルチェ)
オランダ発祥の小さなパンケーキのようなもの。小麦粉・そば粉・イースト・たまご・牛乳・溶かしバターなどを混ぜた生地を焼き上げたものに粉砂糖をかけて食べます。
クリスマスマーケットの買い物
マーケットはもちろん食べ物だけではありません。クリスマスならではのデコレーションなどもお家に持って帰ることができます。
Schwibbogen:キャンドルアーチ
この半円は元々はキリスト教のモチーフで、太陽・月・星は既知のキャンドルアーチの半円に描かれていたそうです。木材でできたものが多く、小さいものから大きいものまでお家に飾れるようなものがよく売られています。
Nussknacker(ヌスクナッカー):くるみ割り人形
くるみ割り人形もまたよく見かけるクリスマスの風物詩の1つ。
Räuchermann(ロイヒャーマン)
お香を入れて、パイプをもったおじさんの口から煙がでてくるおもしろ可愛いアイテム。
Bienenwachskerzen(ビーネンヴァックス・ケルツェン)
独特の黄色い蝋燭は、蜂の巣の蝋を精製することによってできる蜜蝋(Bienenwachs)からできたもの。ちなみに写真がアドベントクランツです。
クリスマスマーケットの魅力はいっぱい
上にあげたものはほとんどのものが大体のクリスマスマーケットで見つけることができます。すでに書いたように、グリューワインの陶器カップを集めることを楽しみにしたり、お気に入りのお店を見つけることを楽しんだり、さらにはそのクリスマスマーケットでしか味わえないご当地グルメを堪能することもまたクリスマスマーケットを楽しむ醍醐味です。
次回の記事ではスタンダードではない、去年旦那さんと行った素敵なクリスマーケットの旅についてご紹介したいと思います。