公開日 2021年5月12日 最終更新日 2023年12月27日
みなさん甘いものはお好きですか?砂糖そのものを摂取しなくても、食生活の至る所に砂糖が隠れていて、チョコレート・コーラなど甘い(清涼)飲料水の糖分、調味料や牛乳にも乳糖が含まれていたりと、意識していない間に摂取している砂糖というのはとても多いと思います。
この記事では、おうちにある砂糖が一体どんな砂糖なのか、なんで体に・環境に悪いと言われているのかを、ドイツで販売されている砂糖と砂糖の代用品とともにまとめています。
もくじ
- 1 体に悪いといわれている砂糖
- 2 砂糖は依存性があるって本当?
- 3 白砂糖が特に体に悪いと言われているけどなんで?
- 4 ドイツで売られている砂糖
- 5 Rübenzucker:てんさい糖
- 6 Vollrohrzucker:全さとうきび糖
- 7 Rohrohrzucker:精製1回のさとうきび糖
- 8 Rohrzucker:さとうきび糖
- 9 Kristallzucker:グラニュー糖
- 10 Braunerzucker:ブラウンシュガー
- 11 Puderzucker:粉砂糖
- 12 Gelierzucker:ゼリーシュガー
- 13 Vanillezucker:バニラ砂糖
- 14 少しでも体に良い砂糖を
- 15 砂糖の代用品はどんなものがある?
- 16 Ahronsirup:メープルシロップ
- 17 Agavendicksaft:アガベシロップ
- 18 Kokosblütensirup:ココナッツシュガー
- 19 Reissirup:ライスシロップ
- 20 Honig:はちみつ
体に悪いといわれている砂糖
砂糖は全般的に健康的ではないと言われています。過剰摂取が肥満・虫歯の原因となってしまったり、WHO(世界保健機関)防ぐために成人1日の摂取量は最大で25-50gまでと呼び掛けています。(引用:WHO)
砂糖は依存性があるって本当?
-はい、砂糖はアルコールやたばこのように依存性のある食べ物。お腹が空いていないのに甘いものを見ると、「食べたいな」と思う心理や、一時的な集中力を高めるためにチョコレートを食べることなどを頻繁に行うことなどは依存の一種と言われています。
白砂糖が特に体に悪いと言われているけどなんで?
白砂糖がなぜ白いのかはご存知でしょうか?色んな噂がささやかれていますが、本当の理由は白くなるまで精製されているからです。
その過程で原料に含まれるミネラル・ビタミンも一緒に全てなくなります。つまり、精製されればされるほど砂糖本来の持つ栄養素はそぎ落とされていくのです。
精製時間が長くなるほど、より多くのエネルギーが必要となるので環境にも悪影響なのは明らかです。
上白糖とは一体何?
白砂糖といえば世界中では主にグラニュー糖の需要が高いですが、日本では上白糖という、グラニュー糖よりも結晶が細かいものが人気です。これは、砂糖に転化糖(果糖とブドウ糖)を加えたもので、主に日本でしか販売されていないそうです。
転化糖は甘味をさらに足して少ない量でも十分な甘さを得られるようになっています。
日本特有の砂糖といえば、三温糖がありますよね。これは上白糖やグラニュー糖を繰り返し加熱してできたものです。
ドイツで売られている砂糖
Zucker(ズッカー)はドイツ語で砂糖を意味します。この単語の前に示されている単語が原料や状態を表しています。
Rübenzucker:てんさい糖
てんさい糖はドイツ発祥と言われていて、世界ではじめてテンサイという植物から砂糖を取り出したのはドイツ人でした。
ビートの砂糖用品種群である。寒さに強く、寒冷地作物として中高緯度地域で栽培されている。サトウキビとならんで砂糖の主要原料であり、根を搾ってその汁を煮詰めると砂糖がとれる。 アンセルム・ペイアンが脱色法を発明してからは原料として好まれるようになり、全世界の砂糖生産量のうち約35%を占める。なお、葉と搾りかす(ビートパルプ)は、家畜の飼料として利用される。 日本では、北海道を中心に栽培されている。テンサイから作られた砂糖は甜菜糖と呼ばれ、国内原料による日本の砂糖生産量の約75%、日本における砂糖消費量の25%を占める。 (引用:Wikipedia)
- テンサイはビートの砂糖用品種群
- 寒冷地で栽培される(日本では北海道で中心に栽培)
- 根から砂糖がとれる
- 全世界の砂糖生産量のうち約35%、日本の砂糖生産量の約75%を占める
Vollrohrzucker:全さとうきび糖
さとうきび=沖縄、と連想する人が多いくらい、さとうきびを知る人は多いのではないでしょうか。テンサイとは真逆で熱帯で育てされます。
2002年時点の世界生産量は12億9000万トンという膨大な量に及ぶ(小麦は同年5億7000万トン)。ブラジル (28.0%)、インド (21.7%)、中国 (6.4%) の順であるが、地域別に集計するとアジア州 (43.5%)、南アメリカ州、北アメリカ州の順となる。 サトウキビはC4型光合成と呼ばれるタイプの光合成を行う植物であり、栽培には十分な日照と、豊富な水源が必要である。 日本での栽培地域は、南西諸島が特に多く沖縄県と奄美群島が大部分を占める。(引用:Wikipedia)
- 世界で一番生産されている砂糖の原料
- 熱帯で栽培される
Voll(全ての、いっぱいの)という意味から、精製されていない純度100%の砂糖ということが分かります。サトウキビ本来の持つビタミン・ミネラルが摂取できます。
Rohrohrzucker:精製1回のさとうきび糖
【※適切な日本語訳がないので仮訳です】Rohr(サトウキビ)が繰り返し書かれたこの砂糖は、Vollrohrzuckerよりも精製が1回多いもの。つまりVollrohrzucker(全きび砂糖)よりは栄養価が落ち、色は茶色と白の間くらいです。
Rohrzucker:さとうきび糖
これがRohrrohrzuckerをさらに白くなるまで精製したもの。つまり日本でいうグラニュー糖と同じです(ただし原材料はサトウキビ)。ビタミン・ミネラルはそぎ落とされて、ただの甘味料になっています。
Kristallzucker:グラニュー糖
グラニュー糖には全般的な呼び名があり、これを一般にKristallzucker(クリスタルズッカー)といいます。つまり白砂糖のことです。原料は製造者によって異なるのでチェックしてみてください。
真っ白ということで、この色になるまで精製され栄養価がそぎ落とされたこの砂糖は世界で一番需要があります。
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Braunerzucker:ブラウンシュガー
ドイツで売られているブラウンシュガーは黒砂糖のことではなく、白砂糖+カラメル添加物でできた砂糖のことを指します。
Puderzucker:粉砂糖
Puder(パウダー・粉末)という単語が示す通り、粉砂糖。粉砂糖はグラニュー糖を挽いてさらに細かくしたものです。
Gelierzucker:ゼリーシュガー
Gelierはgelierenという動詞からきたもので、ゲル化する・ゼリー状になるという意味を持ちます。これは砂糖にゲル化剤を足したもので、ジャム・ゼリー・マーマレードを早く作りたい時に使われます。
様々な砂糖とのミックスがあるので、少しでも多くビタミン・ミネラルをとりたいならば精製回数が少ないRohrrohrzucker(精製1回のさとうきび糖)とのミックスを選ぶなど、原材料をチェックしてみることをおすすめします。
Vanillezucker:バニラ砂糖
Vanilleはお気づきの通り、バニラのことでアイス屋さんに行くと必ずVanilleのアイスが置いてあります。バニラ砂糖は砂糖とバニラビーンズまたはバニラ味の添加物とのミックスで、バニラビーンズを使用したものは添加物のものと比べると値段が倍以上違います。
少しでも体に良い砂糖を
本来のミネラル・ビタミンをそぎ落とした甘味料ではなく、なるべく原材料に近いものを選ぶこと、環境問題もしっかり配慮されたオーガニックの砂糖を選ぶこと、添加物ではなく自然由来のものを取り入れることもまた、自身の健康や環境を守ることにつながりますね。
砂糖の代用品はどんなものがある?
甘いものを摂取する時にもっと栄養を取りたい人や、違う風味を求める人に人気なのが様々な砂糖の代用品です。栄養価や環境問題の視点からそれぞれをまとめました。
Ahronsirup:メープルシロップ
ヨーロッパで販売されているメープルシロップには5つのクラス(AA, A, B, C, D)があって、それがパッケージに示されています。左(AA)から右(D)に向かって色が濃くなっていき、味はマイルドから段々渋みを増していきます。AAの味が一番マイルドで繊細なので良いとされているようです。
他の甘味料よりも低カロリー(砂糖水でサラサラにされたものもあるので注意)でミネラル分が高いこと、独特の味が魅力でファンがたくさんいます。
販売されているメープルシロップは製造エネルギーコストが高いことや、原産地は主にカナダであることで長距離のトランスポートによる環境汚染などから、特にカナダや隣国以外の国々では環境に悪影響だとされています。
Agavendicksaft:アガベシロップ
テキーラの原料ともなるアガベという植物の樹液から採れる甘味料。味にクセはないですが、他の甘味料の1,2倍ほどの甘さを持ちます。
健康面でも良いという研究結果はなく、ビタミンやミネラルはほとんどなかったりとあまり加点のないシロップ。
メープルシロップ同様、製造エネルギーコストが高いことや、メキシコ発祥で現在は主に中米で生産されていることで長距離のトランスポートによる環境汚染などから、生産国以外の国々では環境に悪影響だとされています。
Kokosblütensirup:ココナッツシュガー
ココナッツの花の蜜をろ過・蒸発させて結晶を残して作られるココナッツシュガー。色は茶色でサトウキビに似ていて、カラメル風味が人気の秘訣。
カロリーは普通の砂糖と同じくらいで、栄養価は精製された砂糖よりも少しだけ高い。ミネラル・ビタミンが豊富に含まれていると宣伝しているメーカーもあるようですが、栄養価を得るには大量に摂取しなければならないようで、茶色い見た目に反して栄養価は低いのですね。
ココナッツシュガーは原産地は主に南アジアであることで長距離のトランスポートによる環境汚染などから、輸出国以外の国々では環境に悪影響だとされています。
ちなみにドイツも主に南アジアから輸入しているようです。
Reissirup:ライスシロップ
米粉を水に溶かして高温調理し、米澱粉を砂糖に変換する酵素が加えられてできたライスシロップ。クセがあまりなく、100g当たりのカロリーは他のものに比べて低いものの、甘さが少なめなのでとり過ぎ注意です。果糖・ラクトーゼフリー。
米の輸入先によってはトランスポートの距離でまた環境汚染が問題視されます。
Honig:はちみつ
蜂蜜にはビタミンやミネラルがほとんど含まれていませんが、いくつかの生物活性物質や抗酸化物質が含まれているため、蜂蜜は健康的だと言われています。特に抗酸化剤は、心臓の健康と血圧の低下にプラスの効果をもたらす可能性があると言われています。しかしこれらの健康的な有効成分は、40度の温度からは効果がなくなります。
はちみつを生産するミツバチは短い人生の中、必死に蜜を集めますが、それが人間によって利用されていて、その過程ではつみつの生産性が低いミツバチは殺されてしまったり、冬眠の間自然界ならば蓄えたハチミツで生き延びるところを、人間によって支配されることで砂糖水で代用されたり自然の働きを邪魔されていることがあります。
ハチは自然界の働きにとってとても重要な生き物ですが、現在起こっている様々な環境問題の影響などからハチが減ってきているのも事実です。それが人間が飼うことによって助けられている面もあるようで、ハチを飼うことが一概に悪いとは言えないという見解もあります。