公開日 2021年4月16日 最終更新日 2023年12月27日
あなたはBIO(ビオ)という言葉を知っていますか?これはヨーロッパの有機農産物などの商品パッケージ上で見かけることがあります。
ドイツでは当たり前の存在になっているBIO(ビオ)商品ですが、それは商品の種類によって少々意味合いが異なること、また認証されていないものの信用性や認証機関によってその条件は様々なのです。
この記事では、ドイツに存在するBIO(ビオ)についてまとめています。
もくじ
BIO(ビオ)とは一体何?
BIOと呼べるものは、Bio-Siegel(Bio認証機関)の認証マークを付けている商品のことを指します。このマークは、EUの有機農業の法律を元に製造から加工までの決められた条件をクリアし管理機関によって認証されている証明なのです。その法の中にはこんなものがあります。
- 有機栽培によって生産されていること
- 遺伝子組み換えでないこと
- 農薬・化学肥料・汚泥が使われていないこと
- 規定外の添加物を使用しない
- 決まりに基づいた環境(動物1頭あたりの広さなど)で育てられている
- 抗生物質や成長ホルモンなどが用いられていない
- 食品照射(放射能などによる貯蔵期間の延長や殺菌・殺虫)されていない
BIO(ビオ)の言葉の定義はモノによって変わる
BIO商品の中でも、Bio-Lebensmittel(Bio-農産物)は有機農産物のことで、それらはざっくりと言うと以下の通りです。
- 有機栽培によって生産
- 環境にやさしい
- 信頼できる環境
そしてこれが、掃除用具・洋服・コスメと違うものになると少し意味合いが変わってくるというのです。それらを深堀してみましょう。
biologisch(生物学的)という言葉
BIOと混乱させやすい言葉、biologische Herstellung(生物学的生産)の意味はというと、生物体を乱す人工元素を使わない、商品やその原材料は自然なものであることです。
ここで「自然」という言葉の解釈は曖昧なので、決まりがない限り「自然」と言えてしまうことが問題なのです。
日本でも、自然の○○と銘打った商品というのは溢れていますが、本当にそれがあなたの考える「自然」なのかを証明するものが付いていない商品もありますよね。
だからこそ広告にまどわされずに内容成分をしっかりチェックしたり、信頼できる機関の認証マークが付いた商品を選ぶことが環境保護の第一歩です。
環境保護に大きな役割を持つBIO(オーガニック)
BIOと認められた農産物は紛れもない「有機(オーガニック)農産物」です。というのも、BIOと証明できる農産物は法律によって決められているからです。様々な規制の元しっかりと管理された農場で農産物が育てられている環境はドイツでは、Öklogische Landwirtschaft(有機農業)と呼ばれ環境・動物への負担が少ない環境のことをいいます。
さらにチェックしたいBIO
環境を配慮したい人は、さらに原産地をチェックしましょう!「ヨーロッパでオーガニック商品の買い物をしたい時はBIO認証マークさえ確認すればいい」わけでは実はないのです。
もちろん法律で定められた条件をある程度クリアしたBIO商品はそうでない商品に比べると安心安全なものですが、BIO商品がヨーロッパ内で認証されているからといって、その商品の全てがヨーロッパで作られているわけではないからです。ドイツの場合はその商品が・・・
- ドイツ国内
- EU内
- EU以外
と3つで生産されたものに分けられますが、ドイツに住んでいればドイツ国内で生産されたものを購入する方が環境への負担は少ないですよね。(輸送問題)もっと知りたい方は下のリンクからのぞいてみてください。
BIO認証マークの種類
BIO認証マークがついた農産物はとりあえずある程度の条件をクリアしているものの差があります。ドイツ国内では認証マークにもいくつか種類があります。
- EU-Bio-Siegel(Deutsches-Bio-Siegel)
- Bioland Bio-Siegel
- Naturland Bio-Siegel
- Demeter Bio-Siegel
1ヘクタールあたりに飼育できる動物の数・エサの種類・除角の許可など様々な規制がある中、ドイツで一番厳しい条件を設けているのはDemeterの認証マークです。
Bio-Laden(オーガニックのお店)
BIO商品の中にも差があるものの、ドイツのオーガニック食品は日本に比べると明らかに手に入りやすいです。というのも、その商品の多さはもちろん誰でも手に取りやすい値段設定。さらにはオーガニック商品だけが売っている店=Bio-Laden(オーガニックのお店)も多く存在するからです。
Bio-Laden(オーガニックのお店)はドイツの大きな都市に1970年代に誕生しました。今ではそれらがスーパーマーケットにチーズ・お肉・パン屋さん・生活雑貨・バス用品・洋服など色んな専門店に発展しています。
魅力は環境にやさしい商品だけではありません。
- 人権を守る公正取引が行われている商品が多く置いてある
- 生産地がしっかりと分かるようになっている
- 常温保存可能の野菜や果物は包装なし
- 商品をつめる袋はポリではなく再生紙の袋
Bio Supermarkt(オーガニック・スーパーマーケット)
ドイツは他のヨーロッパ各国を比較しても、圧倒時にBIO-Supermarkte(ビオ・スーパーマーケット)が多いです。その中でも1・2を争う数の店を展開している、2つのスーパーマーケット
- Alnatura
- denn’s Biomarkt
ドイツ内でも住んでいる地域によって店舗の数は異なりますが、ドイツ全土で見た時にこの2つのBIOスーパーマーケットは有名です。ここに置いてある農産物は全て有機栽培によって生産されたオーガニック農産物です。スーパ独自のブランドの商品を置いているだけでなく他のBIO食品ブランドも幅広く品揃えされています。
Reformhaus(リフォームハウス)
Reformhausは、BIO商品を取り扱う小売りチェーン店です。ほぼBIO-Supermarkと変わらず食品をはじめ、ボディーケア用品、オーガニックコスメティックなどが置いてあります。違ったところと言えば、Bio-Ladenではあまりお目にかかることのない、植物性栄養補給品(ビタミンタブレットなど)・自然の一般医療品が販売されています。逆にビールやワインなどのアルコール類はここでは買う事はできません。
自分のスタイルをみつける
環境保護を考えるならば、オーガニック(有機)商品しか買ってはいけないですか?食肉を買うのを辞めて完全菜食を取り入れるべきですか?
生活スタイルを今までと一気に全て変えることはとても難しく、その上選択の可能性はそれだけではないですよね。少しだけオーガニック食材に置き換えることだって、少しだけお肉を減らすことだってその人数が増えれば環境保護の力はその分大きくなります。