公開日 2021年5月13日 最終更新日 2021年8月8日
ドイツのパンというと、皆さんはどんなパンを想像されますか?黒くて・・・かたい、ちょっと酸味があって・・・ドイツのパンはドイツ人が誇る、ドイツ文化のひとつなのです。
別の記事でご紹介しましたが、ドイツの街にあるパン屋さんの数は日本のコンビニなみで朝から晩まで、パン・パン・パン!特に週末になると、焼きたてのパンを朝食に!と、多くのパン屋さんに列ができるほどです。
例えば家の内見の時でも、「ほら、目の前にパン屋さんがあって便利でしょ」というセリフを聞きます。それがドイツ生活をする上でとても重要であり、家の魅力の一部とまでなるのです。
今回はそんなドイツ自慢のBrot(パン)について紹介したいと思います。
もくじ
ドイツが誇るドイツのパンの文化ーパンの種類とWeizenbrot(白パン)編ー
ドイツのパンの種類はおよそ、300種類以上になると言われています。そのパンの種類は大きく分けて2つ
- gesäuertes Brot(発酵したパン)・・・Sauerteig(パン種)やHefe(酵母・イースト)を使っている
- ungesäuertes Brot(発酵していないパン)・・・ピタパンなどのHefeなどを使わない
ドイツのパンに使われる材料
などなど。ドイツ以外の国では、Weizenmehl(小麦粉)を主に使うのがほとんどです。それに比べてドイツでは色んな種類の粉を使い、白パンに比べて長持ちするパンを作ることで、ドイツのパンは有名になったと言われています。
ドイツのパンの名前は粉の種類と挽き方で変わる
- Vollkorn(全粒)
- schrot(粗挽き)
- fein gemahlen(細かく削った)
- Weizenbrot(白パン)・・・90%以上Weizenmehl(小麦粉)
- Roggenbrot(ライ麦パン)・・・90%以上Roggenmehl(ライ麦)
- Weizenmischbrot(白ミックスパン)・・・50-89%以上Weizenmehl(小麦粉)
- Roggenmischbrot(ライ麦ミックスパン)・・・50-89%以上Roggenmehl(ライ麦)
- Weizenvollkornbrot(白全粒粉パン)
- Roggenvollkornbrot(ライ麦全粒粉パン)
- Weizenschrotbrot(白粗挽きパン)・・・90%Weizenmehl(小麦粉)粗挽き
- Roggenschrotbrot(ライ麦粗挽きパン)・・・90%Roggenmehl(ライ麦粉)粗挽き
- Pumpernickel(ライ麦パン)・・・90%Roggenvollkornmehl(全粒粉)または粗挽き
ドイツのパンの基本からの進化形、種から野菜まで
またKörner(穀物の粒)もパンを焼く上でよく使われており、パンの5%以上使用していると種類に応じて、
- Dreikornbrot(粒粒粒パン)dreiは3
- Vierkornbrot(粒粒粒粒パン)vierは4
- Mehrkornbrot(粒粒粒粒粒・・・パン)mehrはより多くの
粉が違えば、
- Haferbrot(オートミールパン)
- Meisbrot(トウモロコシ粉パン)
- Reisbrot(米粉パン)
- Hirsebrot(粟パン)
- Gerstenbrot(麦パン)
- Wuchweizenbrot(蕎麦粉パン)
- Dinkelbrot(スペルト小麦粉パン)
なんだかキリがないです(笑)
Samen(種子)
- カボチャの種
- ヒマワリの種など
Gemüse(野菜)
- Zwiebelbrot(玉ねぎパン)
- Möhrenbrot(人参パン)
- Katoffelnbrot(じゃがいもパン)
Trockenobst(ドライフルーツ)
- レーズン
- クランべリー
Nüsse(ナッツ)
- ヘーゼルナッツ
- くるみ
🥨形は変わって、他にも南ドイツ・オーストリアで生まれで有名になった
- Brezel(プレッツェル)
- Laugenbrezel(ラオゲン・プレッツェル)
🍞もちろんToast(トースト)も
- Toastbrot(トースト)
- Roggentoast(ライ麦トースト)
- Vollkorntoast(全粒粉トースト)
🥞おやつ・軽食などに食べられる
- Knäckebrot(クラッカーパン)
と、ここに全ては書ききれないですが、材料の組み合わせはもはや無限大!ということは分かっていただけたのではないでしょうか?
- バター
- 牛乳
- バターミルク
- ビール(!)
- ヨーグルト
などなども使われます!
焼き方によっても名前が変わる?
- Steinofenbrot(石窯焼きパン)
- Holzofenbrot(木のオーブンパン)
- Schinkenbrot=Roggenvollkornbrot/ Roggenschrotbrot・・・箱に入れて香り高く焼かれる
ドイツの白パンレシピ
ドイツのパンを紹介してきましたが、甘い系の菓子パンももちろんあります。しかしドイツではBrot(パン)と言わず、Feine Backware(ヴィエノワズリー)又は、Gebäckといいます。(※これはまた別記事で紹介します!)
最後にドイツのパンの基本である、Weizenbrot(白パン)のレシピを最後にお届けします。
- 500g 強力粉+打ち粉
- 40g バター
- 12g ドライイースト
- 2TL 塩
- 300ml ぬるま湯
- 少々 オリーブオイルまたは、ひまわり油
ちょっとドイツ語・・・ドイツのレシピでは、TLはTeelöffel(ティースプーン)小さじ、ELはEsslöffel(食べるスプーン)大さじの事です。英語ではTLがテーブルスプーン(大さじ)なので少しややこしいですね。
- 大きなボウルに中力粉とやわらかくしたバターを入れ、混ぜ合わせます。
- 片側に塩、反対側にドライイーストを入れ、ドライイースト側に半分の量のぬるま湯を入れて指で混ぜ合わせ、徐々に全体の中力粉をすくいながら残りのぬるま湯を、少しずつ加えていきます。
※季節や室温によって加える水の量は多少変わるので、ねばねば湿った生地にならないように、様子を見ながら水分を調整してください。 - しっかり混ぜあわせて生地が混ざってきたら、小さじ1杯程度の油をこねる作業台に塗り、そこに2の生地を出します。
- 生地の端を生地の真ん中に向かって織り込んでいくように、全体に油が回るように繰り返します。
- 手の甲で生地を押し伸ばし、折り返すという作業を繰り返して、弾力・伸縮性のある生地になるまで5分ほどしっかりこねます。
※手にくっつく場合は
手に打ち粉を取ってこねてください。 - 1から2で使ったボウルに軽く油を塗って生地を入れ、湿らせたタオルで覆って1時間ほど(室温による)生地が2倍になるまで発酵させます。
- 生地を打ち粉をした作業台にもどし、空気を抜きながらしっかりこねて・丸めるを繰り返し、滑らかな生地に仕上げます。
- 生地をクッキングシートの上において、1時間くらい(室温による)また2倍くらいになるまで放置します。
- オーブンを220℃(換気付きは200℃)に予熱します。
- 2倍に膨らんだ生地の上に小麦粉をまぶして、生地をつぶさないように刷り込みます。
- パンの上の部分に、約1cmほど深く包丁で切込みをいれ、30分ほど焼きあげて、できあがりです!