【ドイツ】クリスマスシーズンの定番!プレッツヒェンとは何?

【ドイツ】クリスマスシーズンの定番!プレッツヒェンとは何?
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公開日 2021年5月9日 最終更新日 2023年12月27日

2020年11月29日の日曜日は第一アドベントでしたが、ドイツではこの日の前から準備するPlätzchen(プレッツヒェン)という食べ物があります。

たくさんのバリエーションがあるPlätzchen(プレッツヒェン)は、クリスマスシーズン大人から子どもまで楽しみにしているものの一つです。

この記事ではそのPlätzchen(プレッツヒェン)についてご紹介したいと思います。

 

Plätzchen(プレッツヒェン)とは何?

プレッツヒェンは甘いお菓子のことを指します。地域によってこの言葉の解釈は少し異なるようですが、ドイツの大半の地域では主に「クッキー」のことを指します。

Plätzchen(プレッツヒェン)の語源

語源はラテン語のPlazentaにさかのぼり、この単語はケーキという意味があります。そこから小さなケーキ、平らな小さなケーキを表すPlätzchen(プレッツヒェン)という言葉が使われるようになったようです。(参考:Was ist der unterschied zwischen plätzchen und keksen?

Platzはドイツ語でスペース/ 場所/ 場/ 間という意味、~chen は小さいものを表すときに語尾に付きます。

Plätzchen(プレッツヒェン)は長期保存ができて栄養価が高いことで、ドイツ語でクッキーを意味するKekseと区別するようです。(参考:Plätzchen – Geschichte und Ursprung

Plätzchen(プレッツヒェン)はなんで伝統になった?

そもそもなんでクリスマスシーズンにクッキーを焼くのでしょう?その疑問には様々な諸説がありますが、中世の修道院の影響があったという話が一番広まっています。

修道院で準備されたPlätzchen(プレッツヒェン)は当時貧困に悩まされる人々にも惜しみなく与えられたと言われています。

Plätzchen(プレッツヒェン)の種類

プレッツヒェンと言えばのスタンダードは、小麦粉・砂糖・バター・卵を使ったとってもシンプルなButterplätzchen(バタークッキー)。この生地を薄くのばしてAusstecher(型抜き)で様々な形にくり抜いたものをオーブンで焼き上げます。

  • mit Kakao(カカオと):チョコクッキー/ カカオクッキー
  • mit Marmelade(マーマレードと)
  • mit Zuckerglasur(砂糖コーティングと)など

Lebkuchen-Plätzchen(レープクーヘン・プレッツヒェン)

Lebkuchenもまたクリスマスの定番の焼き菓子ですが、そのレープクーヘンをプレッツヒェンのように小さく焼き上げたものです。香辛料を使うことで茶色い見た目になり、重曹などを使ってふくらみをもたせます。

Spekulatis(スペキュラース)

材料は小麦粉・砂糖・バター・香辛料・(卵)。薄焼きにされた茶色いクッキーです。

発祥のオランダやベルギーではニコラウスがやってくる12月6日に食べられるので、それにちなんだ模様がほどこされます。香辛料にはシナモン・カルダモン・クローブなどの冬の定番が使われます。

Schneekugel(シュニークーゲル)

Schneeは雪、Kugelは玉/ 球体という意味なので、日本でも人気のスノーボールのことです。丸いほろほろクッキーを粉砂糖でコーティングした雪玉のようなお菓子。

Spritzgebäck(シュプリッツゲベック)

Gebäckは甘いお菓子・パン・ケーキ全般を指す言葉で、spritzenはしぼるなどの意味があります。その名の通り絞り機でしぼって形作られます。 小麦粉と水分の割合は4:1で、水分には牛乳や卵が使われ、スターチなどを入れることで、繊細な食感になります。

Vanillekipferl(バニラキプフェル)

Kipferlは長く曲げられたお菓子のことを指し、このバニラキプフェルは小麦粉・砂糖・バター・ナッツ(主にアーモンド)で作られます。

Nussstangen(ヌスシュタンゲン)

Nussはナッツ、Stangeは棒の複数形です。材料は小麦粉・砂糖・バター・ナッツ・(卵)とスタンダードで、両端にチョコレートコーティングされているのが特徴です。

Kokosmakronen(ココスマクローネン)

Kokosはココナッツ、Makroneはマカロンという意味。材料は砂糖・卵白・ココナッツで、1:2:1ココナッツの割合で低温で焼き上げます。他の材料と違って小麦粉を使わないのが特徴です。ココナッツの代わりにナッツプードルや植物の種を使ったりすることで名前も【材料名】makronenと変わります。

Engelsaugen(エンゲルスアオゲン)

Engelはエンジェル、Augenは目の複数形で、写真のように丸いクッキーの真ん中に赤い丸で目のようになっています。真ん中にはラズベリーマーマレードなどを使います。

Nussecken(ヌスエッケン)

Nussはナッツ、Eckenは角の複数形。クッキー生地の底に、ジャムやマカロン生地を挟んで上はナッツでキャラメルコーティングされます。焼き上がったあとに三角形か角ができるように切られることで、Ecken(角)ができます。

Mandelhörnchen(マンデルホルンヒェン)

Mandelはアーモンド、Hörnchenはリスという意味。半円を描いたような形でリスのしっぽのようです。表面はアーモンドスライスがまぶされ、両端をチョコレートコーティングします。

Linzer Kipferl(リンツァーキプフェル)

Linzerはオーストリアの街リンツのという意味で、Kipfelは上でも紹介したように、長く曲げられたものを指します。その名の通りLinz(リンツ)で生まれたお菓子で、小麦粉・砂糖・バター・卵黄、2つ重ねてジャムを挟んだもの。

Florentiner(フロレンティーナー)

Florentinerはフィレンツェの、フィレンツェの人という意味。平らでカリカリの焼き菓子。基本的にナッツ、時にドライフルーツなどが含まれ、底はチョコレートでコーティングされます。名前のフィレンツェは全く関係がなく、おそらくフランス発祥の焼き菓子だと言われています。

Bethmännchen(ベフメンヒェン)

フランクフルト発祥の焼き菓子。マジパンの材料である、アーモンドプードル・粉砂糖・ローズウォーターを使った生地を球にし、そこに半分に切られたアーモンドを、3つ使ってデコレーション。 Bethmannという家族が作ったのでこの名前がついています。

Zimtsterne(ツィムトシュテルネ)

Zimtはシナモン、Sterneは星の複数形です。南西ドイツ生まれの星の形をした焼き菓子。材料は卵白・砂糖・アーモンド(最低生地の25%)・シナモン・小麦粉(最高生地の10%)で、この生地をのばして星の型抜きでくり抜きます。仕上げに砂糖コーティングをして完成。(参考:Wikipedia

Heidesand(ハイデサンド)

北ドイツ生まれの焼き菓子。Heideは荒野、Sandは砂を意味し、生地がとても明るく、焼き上がりは砂っぽいことからこの名前が付けられたとされています。小麦粉・砂糖・バターやマーガリンに、卵やベーキングパウダーを使ってふくらませることも。レモンの皮・マジパンを練りこんだりします。(参考:Heidesand: die besten Rezepte

プレッツヒェンまとめ

クリスマスシーズンに焼くプレッツヒェンはそれぞれの家庭オリジナルレシピがあったりと、ここで紹介したもの以外にもたくさんのバリエーションがあります。

それぞれが好きな人と、好き好きに焼くことを楽しむドイツのクリスマスシーズンの定番のひとつです。

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