公開日 2021年6月16日 最終更新日 2021年8月8日
ドイツのKüche(キッチン)は、おうちの中でも個性の出る場所のひとつです。私たちのキッチンも、2人ともこだわりが強すぎて、あーでもない、こーでもないと話し合って、話し合って形になるまで本当に一苦労でした・・・
私はドイツの生活を通して、(特に環境保護の面で)その考えは勉強になるな、この考えは素晴らしいと思ったことを、このブログを通して発信しています。
この記事では、日本ではスタンダードではなかった、こだわって作ったキッチンを引っ越しの際、ドイツではどうするのかという、ドイツのキッチン事情とともにお届けします
もくじ
ドイツのキッチン事情
ドイツのキッチンと聞いて、何か思い浮かぶことはありますか?
まず日本の賃貸事情からみると、キッチン備え付けが一般的だと思います。
マンションを購入するとなってもキッチンが付いているという物件は結構多いのではないでしょうか?
それに比べてドイツはキッチンが付いている物件と付いていない物件は半々といったところでしょうか。
- 管理会社がキッチン込みの物件を提供している
- 前の住人が使っていたキッチンを譲りたい・売りたい
- これから住む人が自分のキッチンを持って来たい・行きたい
などの例がありますが、自分のキッチンを持って行きたい・・・?!とは一体どういうことなのか紹介していきます。
自分のキッチンを持って行く・DIY
「自分のキッチンを持って行く」その言葉の通り、ドイツでは引っ越しの際、キッチンごとお引っ越しすることも一般的です。
大体キッチンは家の大きさに左右されるので、引っ越しで自分のものを持って行ったからといって、全てのパーツを使うことは実際難しいと思いますが、水道や棚など部分的にリユースする部品や家具はあります。例えばうちのキッチンも、なにもない空っぽの状態から全部組み立てました。
私たちのキッチンのArbeitsplatz(作業場)や、その下の収納に使った木の板は水道の位置から長さまで、この家のキッチンに完全に合わせて旦那さんが切ってくれたので、引っ越し先の家には持って行けませんが、それ以外の棚や収納の全面窓などは引っ越し先の家に持って行くことができます。
自分の気に入ったものをできるだけ長く使う姿勢というのは、ドイツではこのキッチンごと引っ越しすること以外にも、よく目にします。自家用車や家具を長く使うことや、カバンや洋服もしかりです。
常に新しいものや、質の低いものを選ぶことは、買い替える頻度を増やし、廃棄物を増やしてしまいます。
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キッチンDIY・頼りになるIKEA
なにも無い0のところから、キッチンを組み立てたことはいわゆるDIYです。
必要なパーツはほぼIKEAで買いましたが、棚の色・形・模様からバリエーションが豊富にあるところも魅力のひとつですが、プランナーを誰でも使える事は本当に大きな助けになりました。
IKEAのホームページに行って、自分の家のキッチンの大きさなどを入力すれば、どんなキッチンにしたいのか、どんな家具を使いたいのか、どんなパーツが必要なのか、それらのことをIKEAの商品を組み合わせて図に表して、簡単にイメージを持つことができるのです。イメージが湧けば、買い物もスムーズになりますよね。
また必要なパーツや家具を中古品から探す人もとても多く需要が高いため、要らなくなったものを譲る人もとてもたくさんいます。
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キッチンは人に近い場所だからこそ、有害物質はもっての外
キッチンは料理をする場所であって、身体に直接取り込む食べ物を作る場所であって、人に最も近いと言っても過言ではないです。だからこそ、専門知識を持った業者さんと相談できないかぎり、DIYする場合は、使うものにしっかり注意することが健康面を守る上でとても大切です。
特に激安の商品には身体に悪影響を及ぼす化学物質が含まれていたり、それを製造する工場が環境に悪影響を与えていたり、働き手が低賃金で過酷労働を強いられていたりする場合があるので、自分が購入しようとしている商品が果たして環境や人権を守った商品であるのか調べることも私たちの未来にはとても影響してきます。
キッチンを作る上での安全面へのこだわり
私たちのキッチンの作業場の木の板は、切りくずなどを加工した木製品ではなく、ナチュラルな木材を選びました。
その木材はホームセンターで購入したので、切断作業までもその場で行ってくれます。ただ、細かい作業になるほど専門の人がいるので、多少日数がかかるのでしっかり計画することが大事です。
私たちは当時移動のことも考えて、長さだけ希望のサイズに整えてもらい、それ以外の作業は旦那さんが仕上げてくれました。
(移動手段の選択も環境保護につながります。詳しくは下の記事を読んでください。)
キッチンは水を使う場所でもあるので防水加工が必須ですよね。木の板はそのままでは使えないので防水加工にオイルを塗って乾かして塗って乾かして・・・を繰り返してやっと完成しました。
その防水加工のオイルは、BIO(オーガニック)表記のあるものを使いました。人に害がないかなどしっかり検査されています。
ドイツの家電は規格内?
もちろん埋め込んだ家電も解体して持って行きます。ドイツのUnterschrank(下の棚)用のキッチンにおいてある家電たち。例えば
- 食器洗い乾燥機
- オーブン
- 電子レンジ
- 洗濯機
- 冷蔵庫
これらはほとんどのものが600mmつまり、60cmという規格内で作られているのです。なんだかちょっとドイツらしいと言えばドイツらしい。
上のオーブンはUmluft(換気)の機能が付いたオーブンを探していた時に、運良く友人からなんと無償で譲ってもらいました。
要らなくなったものを廃棄してしまうのではなく、人に譲ったりフリーマーケットに出すのもリユースに繋がります。