時間の使い方【なんで?の話】ドイツ人と日本人を比較

時間の使い方【なんで?の話】ドイツ人と日本人を比較
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公開日 2021年8月9日 最終更新日 2021年8月9日

もちろん全員ではありませんが、私の出会ったドイツ人の多くは「時間」に余裕を持っているイメージがあります。私の旦那さんは余裕を持つを通り越して「マイペース」とも言えますが、彼のgelich(すぐに)は最低15分、30分かかるといえば最低1時間、1時間かかるといえば2時間ほど・・・と大体の時間を予測することがとても苦手です。笑

その傾向から、彼の実際にかかる時間を予想することには慣れましたが、私は父のようなすぐに行動する人のもとで育ったので、初めはそのマイペースさにうずうずすることもありました。

彼が初めて日本に来たとき、朝食後にゴロゴロしていた私の父が「じゃあそろそろ行こうか」と言った瞬間に車の鍵を持って玄関に向かっていた時の行動の速さを見た彼はとても驚いていました。そしてその話をドイツに帰ってからも色んな人にしています。

 

そんな「時間」に対する一般論がなんでドイツと日本では違うのか、というなんで?についてこの記事では自論を書いてみました。

時間というもの

私たちにとって「時間」は生活の軸となるものですよね。1日24時間以下しか時間を持っていない人が居なければ、24時間以上持っている人も居ません。もちろん人それぞれ様々な生活背景があって過ごし方も捉え方も十人十色です。

しかし日本とドイツの2つの国に住んでみて思ったことは、ドイツ人は日本人に比べると多くの人が時間に余裕を持って日々過ごしているな、という印象を受けました。そんな時間に対する常識はいつから植え付けられるのだろうと考えました。

時間に対する こどもの考え

ドイツの子どもたちの口から、「ストレスが多くてさ」「やることいっぱいだから時間ないの」などと聞くと、自分が子どもだった頃はどうだっただろう?と考えた時に友達の口から「ストレス」というワード自体を聞くこともごくわずかであったことに気づきます。

今現在私が日本のこどもと関わることは少ないですが、その状況はドイツに限らず世界中である現状なのではないでしょうか。これだけせかせかしていないドイツであってもそんなワードが飛び交っているわけですから、むしろ日本は中国・アメリカ・イギリスなど発展国なのでさらに多くのこどもから「ストレス」というワードを聞くことがより多いのではないかと思います。

ストレスを抱えやすい世の中

情報を簡単に共有でき、SNSを通しての簡単なコミュニケーションなどから、今の時代を生きるこどもたちが、数十年前こどもだった今の大人たちより多くストレスを抱えている、またはストレスを抱えやすいのは明らかだと思います。

こどもは学校に行けば時間割が渡され、それに従って過ごしますが、学校の後の過ごし方はこどもの意志ではなく親の決めたルールに従うと思います。小さい頃に習慣化された「時間の使い方」はその後の人生においてその人の「常識」や「基準」になったり影響をおよぼします。

しかしながらこの時点では時間に対する常識が日本とドイツでかけ離れる印象はありません。

早くに決める進路の重大さの違い

ドイツの教育システムは日本と違いますが、それでも立派な就職先を見据えて学校の後も毎日塾に通って猛勉強、レベルの高い学校を目指す!といった動きは表向きには見えてきません。少なくとも塾のテレビ広告が日常的に流れたり、塾への勧誘などもありません。

もちろん家庭によってそれぞれだとは思いますが、親からの圧力というのは日本に比べると少ない印象を受けます。それはなぜか、色々な理由があるかとは思いますが日本との大きな違いは、一般的に大学卒業後すぐに就職、や30までに結婚などという常識がない事であると思います。

大学卒業直後の就職の常識

日本では専門技術を要する職以外は何を学んでいようが大学のレベルで雇用採用するケースがたくさんありますよね。専門学校や大学を卒業すればすぐに就職するスタイルが一般化されています。

ドイツでは専門職を除くと学歴に関係なく、就職をするにはAusbildung(実習)が必要な会社が多くあり、その実習を経なければその会社では就職できません。このシステムは世界でもドイツだけのようです。大学で学んだこと以外を就職先に選ぶ人もたくさんいますが、将来の仕事に結びつく科目を大学で履修する人は日本より明らかに多いです。とりあえず履歴書の為に大学に入っておけ!みたいな動きはほとんどなく、学費もほとんどかからないので、自分の興味のあるもの・やりたいことを重視して大学を決めたり、途中で学科を変える人も少なくありません。

ドイツで30歳でも学生は普通?

ドイツの大学学部生で「今10ゼメスター」という人をたくさん見かけます。理由は人それぞれですが、交換留学をしたり必修以外の科目を履修したりと様々ですが、半年~2年ほど休学したりすることもそんなに珍しいことではありません。※1ゼメスターは半期

電車も遅れるのは普通

何かを学ぶ学校だけではなく、そのゆったりスタイルは定刻にシビアでない電車の発着に表れているのがドイツ。ドイツでは特に遠距離列車が1時間遅れることもよくあります。短距離列車は10分以内の遅延は何事もなかったかのようにアナウンスが流れないことも日常茶飯事です。もちろんそれに文句を言う人もたくさんいますが、「またか」というのが本音。

休暇の多さからの余裕

日本人の、1週間でヨーロッパの旅・3泊4日ドイツの旅など弾丸旅行は有名ですが、その正反対のドイツ人は1~2週間まとまった休暇をとってビーチや山でゆっくり過ごすといったスタイルが主流です。ドイツ人はそんな日本人を見て、「写真だけとっても意味ないだろ」「そんなんじゃ休暇じゃない」などといいますが、日本人はドイツ人のようにまとまった休暇が取れないのがそれらの第一の理由ですよね。限られた時間の中で、滅多に遠方旅行なんてこれないんだから、その機会を使ってたくさんの場所を見たい気持ちは理解できますよね。

もしかすると便利や娯楽に溢れた日本に住んでいれば、ちょっとやそっとの刺激じゃ満たされないことも理由にあるかもしれません。

生活スタイルが及ぼす影響

なんでそんなに多くの日本人が時間に追われていて、なんでドイツ人はゆっくりしているんだろうと考えましたが、それはきっと圧力が少ない上に休みを取ることに対して「悪い」という概念がないからだと思います。風邪をひいてお医者さんに行って証明書を書いてもらえば堂々とお休みできるし、お休みした人に「休むなんて無責任」なんて思うことはありません。もちろんそれを理由に休むことが日常茶飯事になってしまえば話は違いますが。

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